システム監査基準・管理基準(案)に関する意見募集~改訂のポイントと個人的な取り組み~

e-Govパブリック・コメントのサイトに「『システム監査基準(案)』及び『システム管理基準(案)』に対する意見募集について」が掲載されています。

改訂の概要はサイトの「(参考資料1)システム監査基準・管理基準の改訂案概要」をご覧ください。

この記事では改訂案について個人的に思うことを書きます。

改訂のポイント

3つ挙げます。

1.  AI、DX、アジャイル、IoTなどの環境変化やニーズの多様化に対応させた

システム監査基準の前文に新しい要素技術、システム管理基準の体制にDX推進のためのCDO(Chief Digital Officer)の説明などが追加されています。

2. 監査項目・要点の詳細を別冊化した

システム管理基準の監査項目・要点の例示が主旨、着眼点から達成基準、活動例へと、名称・構成が変更されています。

ただ、この変更は些細なことで、最も大きな変更は監査項目・要点の詳細が別冊のガイドブックとなり、民間団体である日本システム監査人協会が作成することです。

改訂案概要より抜粋

システム監査基準、システム管理基準は5年程のスパンで改訂されてきましたが、これでは環境変化やニーズの多様化には追従できないとのこと。

3. 知識・技能の例示としていた具体的な試験・資格を削除した

システム監査基準の知識・技能で例示されていたシステム監査資格が削除されました。

巻末用語集の専門家の説明の中で、公認情報システム監査人(CISA)、公認システム監査人(CSA)は記載されていますが、

現行の知識・技能で例示されていたシステム監査技術者が削除されています。

個人的な取り組み

別冊のガイドブックを作成する日本システム監査人協会は、システム監査人の認定資格を主催しています。

認定資格には、公認システム監査人(CSA)があり、システム監査技術者の試験合格者が実務経験を証明することで認定されます。

これまで、システム監査資格は、国際資格の公認情報システム監査人(CISA)などがメジャー、国内の資格はマイナーという状況でした。

しかし、今回改訂は経済産業省と日本システム監査人協会が共同で検討していることから、今後、国内の団体や資格が注目されるのではないでしょうか

特に専門家の説明の中で記載されている公認システム監査人(CSA)の認知度が上がると思います。

一方で、システム監査技術者は、筆記試験のみのため専門家の資格からは削除されました。

この点、システム監査技術者は論文試験なので本来は実務経験者のはずなので、試験制度の矛盾ですね。

なお、今回の改訂案で次のキャリアパスがより明確に示されました。

システム監査技術者へのキャリアパス

システム監査技術者の試験合格者は、2年以上の実務経験で公認システム監査人(CSA)になることを国としても推奨しているということです。

現在、公認システム監査人の資格申請期間なので、私は申請することを検討しています

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